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ジェネリック医薬品
 

さて、どこかで「あなたのお薬代が半分になる」というフレーズを見かけた事はありませんか?これは「ジェネリック医薬品」の広告です。一般的にまだまだ理解されていない「ジェネリック医薬品」というキーワードについてせまってみます。


《ジェネリック医薬品(Generic Drug、後発品)とは》

日本で最初に発売された薬(新薬)は「先発品」と呼ばれ、特許の有効期間、発売した会社の独占販売が認められます。特許が切れると、他の製薬会社でも、臨床試験などを省略して有効成分・品質・効能が同じ薬を、製造販売することが認められます。

薬の開発コストは新薬のとき程高くないため、より安価な薬を提供できるという訳です。

こうして新薬(先発品)の特許切れ後に発売する医薬品という事で「後発品」と呼ばれています。また、後発品は通常、一般名(ジェネリック・ネーム:薬の商品名ではなく成分名のこと)で販売するため、「ジェネリック医薬品」とも呼ばれています。

ちょっと昔は、特許切れした途端に、ゾロゾロ出てくるので、「ゾロ」「ゾロ薬」などとと呼んだこともありましたが、イメージがよろしくないので、「ジェネリック医薬品」という呼び方が、一般的になってきているようです。

特に後発品メーカーは、「ジェネリック医薬品」という言葉を使って、ゾロ品というこれまでのマイナスのイメージを払拭すべく、CM、新聞等でもアピールを展開しています。


《薬代が半額??》

さて、ここで冒頭のフレーズに話は戻りますが、薬代が半額になるってホントでしょうか?

結論を言ってしまうと、「単純に薬の値段のみが、平均すると半分になる」という事です。「薬代が半分」というのは、ちょっと大げさな事例で計算されたものなのです。

実際のところを単純計算してみましょう。仮に、1回の診察代と薬代を合わせて10000円の医療費がかかる人がいるとします。日本の医療費総額に占める薬代の比率は約2割といわれているので、2000円分が医薬品代であると仮定します。その医薬品代について、全てジェネリック医薬品を選んで半分の1000円になったとすると、医療費合計は10000円から9000円になりますね。

自己負担額が3割の方であれば、支払う金額は3333円から3000円になるということです。その差、333円。夕飯のおかずが一品増えそうな感じです。

たったこれだけ?と思う方もいらっしゃるかもしれないですが、もし、日本国民全員が333円ずつ と考えると…。


≪何といっても、その価格≫

ジェネリック医薬品のメリット、それはやはり「安さ」。
(その1)既に効果がよくわかっている薬と同じ薬が安くなる!
(その2)薬代(薬代だけですよ)が安くなる!
(その3)国の医療費が安くなる!

国家予算にも影響する、大きな効果があります。(安い薬が普及すれば国の医療費を削減できるので、政府が支援するのは、まあ当然といえば当然かも。)

また、先発品の薬の形を少し変えて、より使いやすく改良したような、良い薬もあるようです。


≪向いている人≫

経済的メリットを考えて最も適しているのは、高血圧や糖尿病、高脂血症のような、ずっと薬を飲まなければいけない病気(慢性疾患)の人のようです。

でも、適していない場合もあるのです。よく言われているのは、塗り薬(クリームとか軟膏)。

こういう種類のお薬は、クリームなどの有効成分以外の配合によって、薬の効果に大きな違いがあるからです。

それから、癌の薬は、ものすごく高いんですが、このような高価格の薬が安くなったらイイと思いませんか?でも、安全性の面から、医師は積極的には選択しないようです。


≪効能効果は本当に先発品と同じ?≫

ジェネリック医薬品には、先発品という、ブランド品が存在します。中身は同じといいますが、果たして本当に"全く同じ薬"なのか、そんな事がよく議論されています。

とある研究報告によると、先発品と、そのジェネリック医薬品数種類を比べる実験をしたら、薬の溶け方や、成分の出方が、大きく違っていたものがあったそうです。

たとえ成分が同じであっても、製剤技術が異なるので、全く同じ薬を作るのは、不可能に近いのです。

これは、質が悪いという意味ではなく、非常に似ているが、多少違う効果が出る可能性はあるということです。

このような点から、生命に関わるような疾患や身体・精神に重大な影響を及ぼす可能性のある治療の場合、医師は、安全性を優先して、保守的な治療(先発品)を選ぶようです。


≪困ったところ〜薬局で扱っていない??≫

薬局に置いてある薬の種類はとっても多いです。そんな中、通常扱う先発品が置いてあるのにジェネリック医薬品のような同じ成分の薬をいくつも在庫しておく事は合理的とは言えないので、あまり置いていないのが現状です。

さらに、小口包装がないことも、薬局が敬遠してしまう原因のひとつです。先発品の最小パッケージは100錠包装が基本ですが、ジェネリック医薬品には500錠や1000錠しかないものもあるそうです。ウチの近所にも、調味料や食材など、ちょっとだけ欲しいのに、全てが業務用サイズの某ディスカウントショップがあります。そんな感じでしょうか。。

また、思うように利益が出ないので、突然生産中止。過去にそんな事があったので、信頼が低いという声も一部あります。

そのほかにも、添付文書の情報が少ないとか、先発品メーカーが特許権侵害で訴えたりとか、ジェネリック医薬品には、まだまだ風当たりが強いようです。


≪海外で普及している理由≫

海外では、ジェネリック医薬品が普及しているらしいのです。どうしてでしょう?大きな違いは、処方箋にヒミツがあるそうです。

と、本題に入る前に、ここでちょっと復習です。

薬には"一般名"と"商品名"があります。
★一般名とは、薬の有効成分の名前。(例 食品包装用ラップフィルム)
★商品名とは、メーカーが販売するときにつける商品の名前。

わかりやすくするために、ご家庭で大活躍の”ラップ”に例えてみます。
★一般名:食品包装用ラップフィルム
★商品名:サランラップ、クレラップ

同じ機能である食品包装用ラップフィルムが、「クレラップ」や「サランラップ」といった名前で売られていますよね。

この例の様に、薬も同じ一般名をもつものが、違う商品名で売られていることもよくあるのです。

さて、話を海外の処方箋に戻します。

海外の医師は、処方箋を薬の"一般名"で書くそうです。そして、患者さんが薬局に行った時に、先発品やジェネリック医薬品の中から、好きな薬を選べるようです。

日本の処方箋は…というと、一般的に、"商品名"で書かれていています。書かれている薬が商品名で指定されているので、その商品を調剤しなくてはいけないのです。

しつこく、そして大げさに”ラップ”に例えると、次のようになります。(お母さん=
医師、子供=患者、買い物メモ=処方箋、ラップ=一般名)

海外:お母さんが子供に渡した買い物メモに「ラップ」と書いてある。
⇒クレラップでもサランラップでも、類似品でも、子供がその場で選んで買ってくる。
日本:お母さんが子供に渡した買い物メモに「サランラップ」と書いてある。
⇒どんなにクレラップが本日の特売品であっても、子供はサランラップしか買えない。

どうでしょう、お分かり頂けましたでしょうか。ただし法律的には、日本の処方箋は一般名でも商品名でもどちらでも良いそうです。実際、とある大学病院では、海外のように一般名で処方箋を出して、患者さんが薬を選ぶことの出来るスタイルになっていると聞いています。

このように将来、一般名での処方が普及すれば、日本でもジェネリック医薬品を使う機会が多くなるのかもしれませんね。

また、アメリカでは保険制度が異なるため、コスト意識は日本とはケタ違いに厳しく、ジェネリック医薬品が自然な選択となったともいえます。



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